京浜東北線・王子駅からゆっくり歩いて約5分。緑に囲まれた音無川沿いの遊歩道を歩いていった先にあるのが、東京十社のひとつ、王子神社。一説によると、鎌倉時代の前、源義家が活躍していた頃からあったとされる由緒ある神社です。駅前の朝の喧噪が別世界のものに思える境内には、樹木が多く植えられ、透き通った空気が流れていました。

 

にぎわいから一歩離れた、緑あふれる静かな境内

 

 

北区役所側にある鳥居が、王子神社への正式な入口。鳥居の前で礼をして出入りする人の姿が見られます。近隣の方に親しまれている神社なんだなと感じました。
制服姿の学生たちがにぎやかに話しながら鳥居をくぐり抜けていきます。駅からの近道になっているのかも。

 

 

鳥居の前で、改めて礼をして、中へと入ります。明治通りを行き交う車の音が遠くなり、一歩中に入るとこれだけ静かになるものなのかと驚きました。

 

 

手水鉢で手や口を清めます。ふだんはちょっぴりガサツなくせに、神社では丁寧な動作を心がけたくなるのは、わたしだけ?

 

 

左隅の方に、小さなほこらが。宮司さんによると、こちらは王子神社に祀られている神様とは別の、芸道や髪の神様をお祀りしている神社とのこと。

 

 

社殿へ向かい、二礼二拍一礼。深呼吸をして、参拝を済ませます。

 

御朱印をいただきお守りでご祈願

 

 

ご朱印は、社務所にいる宮司さんにお願いします。社務所にはたくさんのお守りが並べられていました。

 

 

 

ここのところ、家族が不調気味だったため、ご朱印をいただいたあとに、「どういったお守りがいいでしょうか」と相談をさせていただきました。
調べてくださったところ、今年は方角が悪い年に当たるのだとか。「信じる信じないはご本人次第ですが、方角のお守りがよろしいのではないでしょうか」と教えていただき、ひとつ買い求めます。どうかいい運勢が巡ってきますように……!

 

 

 

三柱が祀られている東京唯一の神社

 

王子神社に祀られている神様は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)の五柱。神様に詳しくない人でも、イザナギ・イザナミ・アマテラスの名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

この三柱が揃って祀られている神社は、東京では王子神社だけだといいます。そのうち二柱は生と死を司る神様のため、王子神社では開運や厄除けといったご利益があるのだそうです。

また、徳川三代目将軍・家光が子どもの頃、春日局が家光(竹千代)の健康と大成を願い叶った故事から、子どもに関するご利益もあるとされ、七五三の時期には多くの参拝者が訪れます。

 

 

あふれる緑が心地よい境内。巨木が多い印象ですが、伺った話によると意外にもこれらはほぼすべて戦後に植えられたもの。
「歴史がある神社なのですが、親水公園側の入口にある大いちょうを残し、敷地内の木や建物などほぼすべてが戦争で燃えてしまったんです。そのため、今の姿はすべて生き残った人たちの記憶や、ほかの場所に残っていた記録をもとに再現されたものなんですよ」

王子神社の例大祭で行われている田楽舞もそのひとつ。田楽は能が流行するにつれ廃れてしまったため、かなり希少なお祭りと伺い、見てみたいなと感じました。

 

 

いただいたご朱印はこちら。参拝者からの質問に答えてお話されることも多いそうです。宮司さんと直接お話しする機会はなかなかないため、王子神社や神様のお話はどれも興味深かったです。

 

 

親水公園横の遊歩道を通って帰ると、そこには創建当時からあると伝わる「大いちょう」が。「焼け残りはしましたが、上が焼けてしまっているせいで、これ以上大きくなれないんです。そのため、境内のほかの樹木の方が成長してしまっているんですよね」
宮司さんの言葉を思い出しながら、上を見上げました。

 

 

脇には説明の掲示も。

 

 

遊歩道へと続く階段を降り、駅へと向かいます。どんどん増えてくる出勤中の人にまぎれて歩きながら、神社で澄んだ心が仕事モードに引き締まっていくのを感じました。
王子神社周辺では、春は桜、梅雨はアジサイと季節折々の花も楽しめます。自然の中での散策は、まるで森林浴をしに来たみたい。

出勤前のさわやかな朝時間、癒やされに訪れてみませんか?

 

 

王子神社
住所/東京都北区王子本町1-1- 12
電話番号/03-3907- 7808

公式サイト/http://ojijinja.tokyo.jp/
最寄駅/JR京浜東北線「王子」北口、東京メトロ南北線「王子」3番出口より徒歩3分、都
電荒川線「王子駅前」より徒歩5分、「飛鳥山」より徒歩7分