おいしい農作物にあふれている秋田県。いろんな農作物があるからこそ、都内でもまだ知られていない食材がたくさん!そんな秋田ならではの食材を地元の人たちはどのように食べているのか??そこで、秋田の麹屋「羽場こうじ店」に生まれ、現在はお食事処「旬菜みそ茶屋くらを」で食文化を発信している鈴木百合子さんに台所事情を聞きました♪まずは4月~8月!ぜひチェックしてみて。

※「みんじゃ」とは秋田の方言で「台所」の意味。

 

4月/ひろっこと福立ち

食べもので季節を感じる感覚を無くしたくないですね。「ひろっこ」はアサツキの仲間で、雪を掘って収穫する。お日様を直接浴びていないので柔らかくて黄色い。酢味噌和えやニシンとかやきにする。「ふくたち」は福が立つと書く。こちらは雪が融けたら畑で一番に収穫できる。雪の下でギュッと甘みが詰まった白菜の仲間。鰹節をたっぷりのせたお浸しや味噌汁、からし和えに。ここ秋田では「長い冬はもう終わったよ」と、野菜たちが教えてくれる。

 

5月/麹たっぷり手前味噌

秋田では各家々に一年分の味噌を作り置く習慣がまだまだ残っていて、5月が味噌仕込みの最盛期。麹屋の仕事は味噌仕込みのお手伝いをすること。お客様が育てた米や大豆を預かって味噌の原型まで加工し漬物小屋に置いてある大きな樽に納めさせてもらう。配合はお客様が自由に決めているから、立派な「手前味噌」となる。特に県南では麹歩合が高い超甘口の味噌を好んで食べる。この時期は蒸した新玉ねぎに味噌をそのままのせて。野菜のエネルギーを感じる一皿になる。

 

6月/伝統野菜 八木にんにく

増田町八木集落で江戸時代から作り続けられている伝統野菜。普通のにんにくとして使うのはもちろん、私たちの食べ方と言えば、やっぱり「生」。6月の初旬にだけ食べることが出来る結球前の青にんにくは、特有の香りや味はするものの、辛みがほとんどなくみずみずしくて甘い。まるでモロキューのように味噌をたっぷりつけてカリカリと食べる。田植えもひと段落して農作業も本格的になり、スタミナ勝負の毎日。明日への英気を養う晩酌のアテであり、最高の飯ともである。

 

7月/くじらかやき

春のスタートダッシュの遅さを巻き返すような勢いで、秋田も一気に夏へと向かいます。田仕事畑仕事も忙しくなり、日暮れが遅いぶんだけ屋外で過ごす時間も長くなります。良質な休息と十分な栄養が求められるこの時期、食卓に欠かせないのが「くじらかやき」。ウドやミズ(ウワバミソウ)などの山菜や、短冊型に切った茄子、じゃが芋、豆腐など一緒に味噌汁に仕立てます。塩くじらの脂身が旨味を出し、絶妙な塩味が得も言われぬ美味しさ。農作業の重労働を乗り切るための、スタミナ汁になります。

 

 

8月/トマトの三五八漬け

この時期の野菜はぜんぶ美味しい。朝から父の畑にお邪魔してもぐ胡瓜、なす、オクラ、インゲン、そして、真っ赤なトマト。昨日もそうしたように、わきに抱えたカゴにパパっともぎ入れて台所へ直行。太陽の熱が伝わってあったかい。ピカピカしたトマトを冷水で洗う。ザクザクとカットして刻みにんにくとオリーブオイル、黒胡椒で和える。味を調えるのは三五八(サゴハチ)。漬物というにはあまりにも簡単すぎる、シンプルで飽きのこない夏の一品に。

 

※三五八…麹漬けの素。塩3、飯5、麹8の割合で作られたことが名前の由来と言われている。300年も前から日本人が使い続けてきた伝統的な調味料です。

 

 

★次回は9月~の秋と冬についてお届けします!お楽しみに。

 

 

秋田から麹文化を発信する 鈴木百合子さん

秋田県横手市の麹屋「羽場こうじ店」に生まれ、麹の魅力を発信するため平成25年にお食事処「旬菜みそ茶屋くらを」を開業。365日違う実の組み合わせで味噌汁を作っている。

 

 

旬菜みそ茶屋くらを

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