とうとう最終回…。ラーラぱどのWEB限定の連続ドラマ「きみはまだ運命の恋を知らない」は、5分で読める月9みたいな恋愛シナリオドラマ。全15話を、本家の月9にチャンネルを合わせる5分前、月曜隔週20時55分にWEB限定で公開中!ドラマの脚本は「AbemaTV」で開催された第1回「シナリオライター賞」で、全600作品の応募の中から「大賞」に輝いた山下すばるさんが書かれました。

 

★最後に重大発表あり!お見逃しなく!!

 

 

本作の登場人物

【月野みより】
30歳。運命の人・千と婚約中。
【神生ナツキ】
20歳。大学生。不思議なチカラを持つ恋守神社の一人息子。
【東雲 千】
29歳。東雲ホールディングスの副社長。
【高梨香穂】
29歳。みよりの友人。
【水原あかね】
20歳。ナツキと同じ大学に通っている。
【東雲修一】
55歳。東雲ホールディングスの社長。
千の義父。
【東雲佐和子】
50歳。千の母親。
【徳元慎一】
31歳。みよりの元恋人。結婚式場勤務。

 

前回までのあらすじ

千にプロポーズされたみより。ユリに誘拐されてクマの餌にされそうになったところをナツキと千に救われる。みよりがナツキに部屋を訪れると、ナツキは部屋を出てイタリアに飛び立っていた――。

【連続シナリオドラマ】きみはまだ運命の恋を知らない/第14話

 

第15話『きみはまだ運命の恋を知らない』

○駅前(夜)


大きなクリスマスツリーの下。
みよりが上品な服装で立っている。
そこに駆けてくる千。

千「みっちゃん! ごめん、遅くなって」
みより「ううん、お疲れ様……ね、これ(服装)変じゃない?」
千「大丈夫、綺麗だよ。っていうかそんなに緊張しなくていいから」
みより「だって……」
千「あっ」
みより「?」

千の目線の先、サンタクロース姿のクマの着ぐるみ。
クマのサンタは風船を配っている。

クマと目が合うみより。

 

みより「……」

みより(ナレーション)「ナツキがあの部屋からいなくなって、もうすぐ二か月……」

 

 

○レストラン・店内(夜)

落ち着いた雰囲気のレストラン。
千とみより、修一と佐和子が食事をしている。
佐和子「えっ、千が小学校6年の時の?」
みより「はい」
修一「なるほど、初恋か」
千「まぁ、うん」
みより「(恥ずかしそうに)……」
佐和子「あ、もしかして、千に色々作ってくれてた子? パンとか、クッキーとか」
みより「はい……調理実習で」
佐和子「あの時の! ありがとね、千の為に色々と」
みより「いえ、ただ私が食べて欲しかっただけで」
千「みっちゃんの料理、すごく美味いんだよ」
佐和子「あら、じゃあ今度私にも教えて」
修一「そりゃいい。佐和子さんは料理はイマイチで」
佐和子「ちょっと、そんなにハッキリ言わなくてもいいでしょ?」
みより、修一と佐和子のやりとりを見て。
みより「(微笑ましくて)……」

 

 

○橋の上(夜)

歩いているみよりと千。

みより「気さくで素敵なご両親!」
千「だから言ったんだよ、緊張しなくていいって。次はみっちゃんのとこに挨拶行かなきゃね」
みより「うん……あ、千くん」
千「?」
みより「あれから、ユリさんは?」
千「あの後は少し混乱してたらしいけど、もうだいぶ落ち着いてるって」
みより「そっか……よかった」

千、みよりの手をぎゅっと握る。
千「ごめん。怖い思いさせて。一人にさせて。でもこれからは俺、守るから」
みより「……」
千「みっちゃんの事、ちゃんと守る」
みより「うん……ありがとう」

 

 

○喫茶『プルミエラムール』・店内(昼)

青柳が大きな花束をみよりに渡す。
青柳「みよりちゃん、お疲れ様でした~!」
みより「はい、ありがとうございました」

みよりの隣で泣いてる香穂。
みより「で、なんで香穂が泣く?」
香穂「だって寂しいじゃん! みよりはもうすぐ結婚するし、そしたらいずれは社長夫人。遠くに行っちゃう…」
みより「行かないよ、遠くになんて」
香穂「え~、セレブになっても私と遊んでくれる?」
みより「セレブって……」
香穂「この喫茶店も結構気に入ってたのにな」
青柳「いやいや、みよりちゃんが辞めても、ここにはいつでも来てくれていいんだよ?ていうか、来てよ!」
香穂「やだよ。青柳さんコーヒー淹れるの下手だもん」
青柳「えっ! 本当に? そんな致命的?!」
みより「わかる。麻婆豆腐もまずかったし」
青柳「そ、そんな……」
香穂「ラテアートぐらいだよね、上手いの」
みより「描けるのはクマだけだけど」
青柳「僕、喫茶店辞めようかな……」
みより「でも、青柳さんがいなかったら千くんと出会ってなかったかも!」
青柳「そうだよね!」
香穂「でもそれをいうと、全部ナツキくんのおかげだけどね!」
みより「……」

みより、店の壁に飾られている絵を見つめる。
ナツキが描いた鳥の絵。

 

青柳「(小声)香穂ちゃん……」
香穂「あっ、ごめん……」
みより「いや、NGワードとかじゃないから」
香穂「イタリアだっけ。今頃何してるんだろうね」

 

 

○駅前(夕方)

クリスマスツリーの下、風船を配っているクマのサンタ。
後ろから近付いてきた千が、その肩を叩く。
クマ「(振り返って)……」
千「久しぶり」

 

 

○カフェ・店内(夜)

千とナツキがコーヒーを飲んでいる。
ナツキ「どうして僕だって分かったんですか?」
千「こないだみっちゃんの事、じっと見てたから……」
ナツキ「……」
千「イタリアに行ったんじゃなかったの?」
ナツキ「? 行きましたよ。ちょうど好きな画家の個展があって」
千「えっ……それって、旅行って事?」
ナツキ「はい、向こうに親戚が住んでるんで。3週間ぐらい」
千「……アパートを出たって聞いたから、長期留学かなんかだと」
ナツキ「あのアパート、もうすぐ更新だったんで」
千「みっちゃんは知ってるの? 君が日本にいる事」
ナツキ「さぁ。イタリアに行った事すら知らないと思ってましたけど」
千「二人はその、もう連絡とか」
ナツキ「とりませんよ。みよりの連絡先、知らないし。電話番号も、アドレスも」
千「えっ!? 一緒に住んでたのに?」
ナツキ「一緒に住んでたから、です。毎日顔合わせるし、連絡する必要もなかった」
千「そうなんだ……」
ナツキ「あなたが思ってるより、僕とみよりは何でも無いんです」
千「うん。分かってる」
ナツキ「でも、疑ってる」
千「……」
ナツキ「何でも無いっていうのは、友達でも、恋人でも、家族でも無いってことです」
千「……」
ナツキ「名前が無くて、なんて言ったらいいか分からないんです」

 

 

○千の部屋・リビング(夜)

みよりと千がオムライスを食べている。
千「やっぱり美味しいなぁ。あ、そういえば、結婚式の前撮りの日なんだけど」
みより、ボーっとオムライスを見つめて。
みより「……」
千「みっちゃん? 聞いてる?」
みより「! あ、ごめん。何?」
千「……今日、ナツキくんに会ったよ」
みより「えっ!?」
千「駅前で偶然」
みより「ナツキ、イタリアにいるんじゃ」
千「それ、ただの旅行だったみたい」
みより「旅行……」
千「……会いたい? ナツキくんに」
みより「……会いたいよ」
千「……」
みより「(明るく笑い)だって来てもらいたいし、結婚式! ほら、千くんとの事もずっと応援してくれてたから」
千「……」

 

 

○大学・キャンパス広場(昼)

芝生に座り、絵を描いているナツキ。
ナツキは周りにいる大学生達と、楽しそうに話している。
その様子を少し離れたところから見ているみより。
みより「……」
ナツキ、みよりに気付いて。
ナツキ「!」
みよりは小さく手を振る。

 

 

× × ×

 

並んで芝生に座るみよりとナツキ。

みより「寒いね。もうすっかり冬」
ナツキ、自分が巻いていたマフラーをみよりに渡す。
みより「(受け取って、首に巻いて)どうしたの? イタリアに行って紳士にでもなった?」
ナツキ「イタリアの事、あかねから?」
みより「うん」
ナツキ「……こないだ東雲千に会ったよ」
みより「知ってる。ナツキが日本にいるの、千くんから聞いたから。イタリア、もっとずっと長く居るのかと思ってた……」
ナツキ「そうしたかったけど、大学もあるから」
みより「やりたい事が出来たの?」
ナツキ「別に」
みより「じゃあなんで急に?」
ナツキ「あの時はただ、会いたくなかったから……みよりに」
みより「……」
ナツキ「会いに行けないぐらい、遠くに行きたかった。僕は自分で思ってるよりまだ子供だったんだ」
みより「……私にはナツキは、ナツキが思ってるより大人に見えた。すっごく遠く見える。あんなに近くにいたのに、もうどんなに手を伸ばしても届かないような気がした」
ナツキ「……じいちゃんに会ってきた。今、イタリアに住んでる」
みより「えっ?」
ナツキ「僕の能力はじいちゃんの遺伝なんだ。だからじいちゃんに聞いてみたい事があって」
みより「……?」
ナツキ「自分の運命の恋を知る方法」
みより「!」
ナツキ「分からないって」
みより「……」
ナツキ「でも、じいちゃんにはばあちゃ
んだけ運命の人が見えなかった……だからじぃちゃんは、ばあちゃんが自分の運命の人だと思った」
みより「……ナツキはなんでそんなこと、聞こうと思ったの?」
ナツキ「……」
ナツキ、みよりの目をじっと見る。
ナツキ「みよりに、ちゃんと言いたかった」
みより「……」
ナツキ「おめでとうって」
みより「……」
ナツキ「結婚おめでとう」
みより「(泣きそうになり)……まだ早い」
と、ナツキにマフラーを返すみより。
みよりはナツキに結婚式の招待状を渡す。
みより「結婚するの、二か月後だから……改めてちゃんと言いに来てよ」
ナツキ「……」
みより「私もその時には言えるようにしとく。ありがとうって、笑って言えるように」
ナツキ「……うん」
みより、立ち上がって、その場を去ろうとする。
一度止まって、ナツキを振り返り。
みより「そういえば……初めて見た」
ナツキ「?」
みより「ナツキが大学生してるとこ」
ナツキ「……」
みより「そうやってどこかで、ずっと笑っててね」

ナツキ「……」
みより「(笑顔で)じゃあね」
去っていくみより。

ナツキに背を向けたみよりの目から、涙が零れる。
一人ぽつんと座ったままのナツキ。
巻き直したマフラーに顔をうずめる。

ナツキ「……」

 

みより(心の声)「さよならは言わなかった。ありがとうも、この気持ちも。でもきっとナツキには分かってるよね。言わなくても、全部……」

 

 

○結婚式場・外観(昼)
よく晴れた青空。

 

 

○同・廊下(昼)

女子トイレから出てきたみより。
そこに廊下の向こうから式場スタッフの慎一が歩いてくる。
慎一「!みより?」
みより「! 慎一!」

 

 

○同・ロビー(昼)

ベンチに座っているみよりと慎一。

慎一「……あの時は本当にごめん」
みより「もういいよ、それは」
慎一「……結婚するの?」
みより「うん。色々あったけど。色々あったおかげで?」
慎一「そっか、おめでとう」
みより「ありがとう……慎一は? あの時の彼とうまくいってる?」
慎一「……彼なら、先月結婚したよ」
みより「えっ」
慎一「もともとみよりに会う前に付き合ってた時、向こうに恋人が出来てフラレたんだ。それで落ち込んでる時にみよりと出会った……」
みより「……」
慎一「僕が結婚するって言ったら、どうしても会いたいって、あの日……」
みより「じゃあ、浮気したのはあの一回だけ?」
慎一「うん。でもそういう問題じゃないから」
みより「別れてから気付いた。私、慎一の事、ちゃんと好きじゃなかった」
慎一「うん。僕は気付いてたよ」
みより「えっ」
慎一「だから結婚しても許されると思った。正直、浮気がバレた時はちょっとホッとした。みよりが僕みたいな奴と結婚しなくて済んで」
みより「なんか私たちってあれだね」
慎一「うん。あれだよ。でも僕はみよりに会えてよかったと思ってる」
みより「……」
慎一「おかげで自分の気持ちに素直になれた。好きな人に全力でぶつかって、全力で失恋して。この歳でそんな恋愛が出来たのは、みよりのおかげかも」
みより「慎一……」
慎一「みよりは? 今回はちゃんと好き? 本気で一番好きな人?」
みより「……」

 

 

× × ×

 

少し離れた所から、みよりと慎一の会話を聞いている千。
千「……」

 

 

○同・ドレスルーム(昼)

ウエディングドレス姿で鏡の前に立つみより。
みより「……」

 

 

○結婚式場・チャペルの前(昼)

ウエディングドレス姿のみよりとタキシード姿の千が立っている。
カメラマン「はい、じゃあ撮りますよ」
カメラマンが二人の写真を撮り始めようとした時、急に降り出す雨。
一同「!」

 

 

○同・チャペルの中(昼)

誰もいないチャペル。
並んで座るみよりと千。

みより「何もこんな時に降らなくてもいいのにね」
千「……こうしてると、本当に結婚するんだなって思うよ。あのみっちゃんと」
みより「あのって何? あのって」
千「友達が出来ないって悩んでたみっちゃん。刺繍の入ったハンカチを恥ずかしがるみっちゃん。ダイエットしてるなんて言って、いつも俺に食べ物を恵んでくれたみっちゃん」
みより「……周りになんて言われてもいつも笑って前を向いてた、太陽みたいな千くん」

千「……聞いてもいい?」
みより「?」

千「もしも、知らなかったら違ってた?」
みより「えっ?」
千「俺が運命の人だって。ナツキくんに言われてなかったら」
みより「!」
千「もしそれを知らなくても、俺の事……」
みより「そんなの! 当たり前じゃない。だって千くんは私の初恋の」
千「初恋は過去だよ。俺は今の気持ちを知りたい」
みより「……」
千「みっちゃんは気付いてないと思うけど。まだ一度も言ってないよね。俺の事、好きだって」
みより「!」
千「ずっと気付かないフリしてごめん……」
みより「私は……」
千「まだ間に合うよ」
みより「!……」
千「俺も子供の頃、思ってたよ。みっちゃんの笑顔が、太陽みたいだなって……だからもう、そんな寂しそうな顔しないで」
みより「……」
千「……どうする?」
みより「……」

 

そこにノックの音が聞こえる。
外から話しかける式場スタッフ。
スタッフ(声)「東雲様。雨、止みました」

 

千「……」
みより「千くん……ごめん」
千「うん」
みより「結婚、出来ない……」
千「……うん」

 

 

○同・チャペルの前(昼)

ドアが開く。ウエディング姿のみよりが出てくる。
みより「えっ……」
そこにはクマの着ぐるみが立っていて。
みより「えっ!?」
クマはみよりの手を握り、強引に引っ張って走っていく。
みより「えっ、ちょ、えっ! 待ってよ! ナツキ!?」

 

 

○街の中(昼)


クマの着ぐるみと、ウエディングドレス姿のみよりが走っている。
街の人々の視線を集めている。
みより「ちょっと待って! ちょっと! 本当に恥ずかしいから! ナツキ! えっ、待って……これナツキだよね?」

 

 

○海辺(昼)


息を切らして走ってきたみよりとクマ。

クマが頭をとって、顔を出すナツキ。
ナツキ「やばい、倒れそう……(と、ふらつく)」
みより「そんな格好で走るから!」
と、ナツキの体を支えるみより。
みより「何考えてんのよ……てか、なんで今、クマなのよ!」
ナツキ「だってなんか、恥ずかしいから」
みより「こっちの方が恥ずかしいわ!」

ナツキ「朝、急に見えてさ。東雲千のタキシード姿。結婚式が早まったのかと思って……」
みより「あ、えっと、これは前撮りで」
ナツキ「そしたらやっぱり嫌で……して欲しくないって思って……」
みより「……」
ナツキ「結婚……」
みより「……」
ナツキ「まだオムライスも食べてないし……」
みより「……もう食べれなくてもいいんじゃなかったっけ?」
ナツキ「……」

ナツキがみよりの肩を掴む。
みより「!」
ナツキ「君の運命の人は、東雲千だ!」
みより「う、うん。それは知ってる」
ナツキ「だから僕は……みよりの運命の人じゃない」
みより「うん……知ってる……」

ナツキ「僕はまだ運命の恋を知らない」
みより「えっ……」

ナツキ「僕には自分の運命の恋は見えない。ずっと恋すら知らなかった。でも自分の気持ちなら、もう知ってる」
みより「……」
ナツキ「僕はみよりが好きだ」
みより「!」
ナツキ「みよりの料理じゃなくて、みよりが好きだ!」
みより「……」
ナツキ「運命じゃなくてもいい。運命に勝てなくてもいい。いつか失って、心がズタズタになっても……それでも僕は、みよりが好きだ!」

みより「ナツキ……」
みよりは目に涙を溜めて。
みより「私、こんなだよ? ナツキより十個も年上だし、これで結婚3回ダメになってるし、無職だし、結局まだ家も無いし、貯金も無いし、あと、えっと……」
ナツキ「それは全部知ってる」
みより「……」
ナツキ「でも、みよりの気持ちはまだ知らない」
みより「えっ」
ナツキ「もう、分からないんだ、みよりの事が。何が起こるのかも、何を考えてるのかも……」
みより「えっ、そうなの?」
ナツキ「そうじゃなきゃ、最初からあんな危険な目に遭わせないで済んだのに。分からなくてごめん……」
みより「……でも、来てくれたじゃない」
ナツキ「えっ」
みより「あの時、呼んだよ。ナツキの名前……心の中で、何度も」
ナツキ「えっ……」
みより「今だって来てくれた。なんだ。もう伝わってるんだと思ったから、言わなかったのに……」
ナツキ「……」
みより「ナツキ……大好きだよ」
ナツキ「!」
ナツキは嬉しそうにニッコリと微笑み、みよりを強く抱きしめる。
みより「(嬉しくて)……」

 

 

○喫茶『プルミエラムール』・店内(夕方)


しっぽりとしたムードでコーヒーを飲む香穂。

香穂「青柳さん、私ね、8年後なんだって」
青柳「あぁ、運命の人?」
香穂「ってことはだよ? それまでに出会った人とは、せいぜいそこそこって事?」
青柳「いいんじゃない? そこそこ……そこそこも悪くはないよ。僕は好きだな。そこそこ美味いラーメンとか、そこそこ面白い映画とか」
香穂「文句言いながらも結局来ちゃう、そこそこの喫茶店とか?」
青柳「ついでにそこそこのおじさんが居たりしない? そういう店には」
香穂「ま、それも悪くないか……おかわり」
青柳「(ニッコリ笑って)はい」
嬉しそうにコーヒーを淹れる青柳。
香穂は何気なくスマホを手にする。
香穂「!(何かを見て驚いて)えぇっ!?」
青柳「? どうしたの?」
香穂「これ、みより!? と、ナツキくん……?」

香穂、スマホの画面を青柳に見せる。
SNSにウエディングドレス姿のみよりと、クマの着ぐるみを着たナツキが街を走っている動画が拡散されている。

 

青柳「えぇっ!」
香穂「何やってんの、この二人! しかも、めちゃくちゃバズってるし!」
楽しそうに笑い合う二人。

 

 

○大学・広場(夕方)

スマホで動画を見ているあかね。
ウエディングドレス姿のみよりと、クマの着ぐるみを着たナツキが街を走っている動画。
あかね「……バカップルかよ」
アラン「アノ、スミマセン」
と、あかねに話しかけるイタリア人の青年・アラン。
あかね「?」
アラン「僕、アラン、イイマス。ナツキノ友達。イタリアカラ来マシタ。ナツキ、何処ニイルカ、知ットリマスカ?」
あかね「? あ、ナツキなら……」
あかねはアランにも動画を見せる。
アラン「! Oh! マンマミーア!」
顔を見合わせ、笑い合う二人。

 

 

○走っているタクシーの中(夜)

タブレットPCでみよりとナツキの動画を見ている千。
千「(涙を堪えて、微笑んで)……」
窓の外、街のイルミネーションを眺める千。

 

 

○街の中(夜)

きらきらと輝くイルミネーションの中。
頭だけとったクマの着ぐるみ姿のナツキとウエディングドレス姿のみよりが手を繋いで歩いている。

 

みより(ナレーション)「運命じゃなくてもいい」

人々の注目を浴びる二人。

みより(ナレーション)「幸せになれなくてもいい。いつか後悔しても。世界中に笑われたってかまわない」

 

みより、ナツキの横顔をじっと見つめる。

みより(ナレーション)「ナツキが好き――。ただ、それだけ。それだけが今の本当の気持ちだ。だから、いつか別れが来たとしても――」

 

ぎゅっと繋がれている二人の手。

みより(ナレーション)「今はこの手を、繋いでいようね――」

みよりと目が合い、優しく微笑むナツキ。
幸せそうにどこまでも歩いていく二人。
夜空に輝く月が、二人を優しく照らしていて――。

 

『きみはまだ運命の恋を知らない』・了

 

 

あとがき

年齢や性別や肩書きや運命にも縛られずに一瞬一瞬の「好き」という気持ちを大事にしていきたいです。

読んでくださったラーラぱど読者のみなさま、この度書く機会を与えてくださったラーラぱど編集部のみなさま、本当にありがとうございました!‬

 

 

重大発表!山下すばるさん脚本「1ページの恋」を橋本環奈さん主演で映像化

AmebaTV「NEXT CREATOR’S COMPETITION2017」で応募総数約600の中から、“10代~20代の若い女性を熱狂させる恋愛ドラマ”というテーマにおいて「シナリオライター賞」大賞を受賞した山下すばるさんの作品がついに映像化!

 

『1ページの恋』は2019年2月18日夜11時より6週に渡って放送。そしてなんと主演は女優の橋本環奈さん♪

 

皆さまぜひご覧くださいね!!お楽しみに!

 

https://abema.tv/channels/abema-special/slots/

 

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